人材開発の方法
人材開発には、仕事の中で学ぶOJT(On the Job Training)、仕事を離れて学ぶOff-JT(Off the Job Training)、自ら自発的に学ぶ自己啓発の3つの方法がある。企業が重視し人材開発のベースとするのは、OJTと自己啓発であり、Off-JTはそれを補完する方法として位置付けられる。日本企業は特にOJTを重視するのに対し、欧米企業はOff-JTを重視する傾向がある。
OJT
OJTは、現在の仕事に直結する能力を磨けるため意欲が高まる、明文化しにくい細かなノウハウも学べる、個々人に合った学習ができることなどから、学習効果が大きいことがわかっている。また、仕事や課題にコミットした経験は、たとえ結果が失敗であっても学ぶものが大きい。 経験からの学習可能性が高い仕事の特徴は、以下のとおり。
- 自己決定:人に押し付けられたのではない、自分の仕事として受け入れられる
- フィードバック:結果が上手くいったかの判断がつきやすい
- 有能感とチャレンジのバランス:その課題は難しいができると思う
- 有意味であること:小さな仕事でも、その仕事に意味があるという認識
Off-JT
Off-JTのメリットは以下のとおり。
- 言語化されたスキル・知識を比較的体系的・効率的に習得できる
- 現在の組織・仕事に制限されずに(自己啓発などを目的として)学習できる
- キャリアの節目(役割の変化など)において、意識的にリフレクションを行い、次の役割に向けた準備の機会にできる
OJT、Off-JT、自己啓発の支援、それぞれの施策を体系の中に有機的に位置付けて相乗的に機能させることが重要である
次回はまずOJTについて見ていこう。

参考文献
- 守島基博『人材マネジメント入門 日経文庫B76
』
- 釘崎広光『トータル人事システム』
「OJTをベースに、Off-JTで補完する。相乗的に機能させることが重要」に3件のコメントがあります
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